モニター心電図の読み方 第5章 〜不整脈の実例解説 3〜

心電図

今回は、頻脈性不整脈致死性不整脈を主体にお話していきます。

心房細動(AF:atrial fibrillation)

  • P波は同定できず、基線が不規則に揺れている(f波といいます)
  • RR間隔が不整
  • QRS幅は基本的には狭い(洞調律と同じ形)
  • f波は心房内で異常な電気刺激が渦巻いている状態を表しています。規則正しく心房が興奮しているわけではないためP波は同定できません。
  • また房室結節に入った電気刺激のうち、心室へ伝わるかどうかは房室結節の状態によるので心室興奮のタイミングは不規則(RR間隔が不整)になります。
  • 房室結節の伝導能により頻脈の場合も徐脈の場合もあります。

心房粗動(AFL:atrial flutter)

  • P波は同定できない
  • 基線が規則正しくノコギリの歯の様に揺れている(鋸歯状波・粗動波・F波)
  • QRS波形は基本的に洞調律と同じ
  • 粗動波は、右心房の中で大きく旋回する興奮を表しています。”何回旋回するごとに心室へ興奮が伝わるか”により、”2:1伝導“や”4:1伝導“と表現します(そのためRR間隔は整・不整どちらもあり得ます)。
  • 2:1伝導の場合は、次の発作性上室性頻拍と見分けが困難なことがあります。

発作性上室頻拍(PSVT:paroxysmal supraventricular tachycardia)

  • 狭いQRS波規則正しく出現している頻拍(150回/分程度の事が多い)
  • P波は同定困難(実際はQRS波の近くに隠れている)

発作性上室性頻拍は主に、心房-心室間で電気刺激が大きく旋回することで起こります(回帰性不整脈)

 

心室頻拍(VT:ventricular tachycardia)

心室頻拍には

  • 単形性室頻拍
  • 多形性心室頻拍(トルサード・ド・ポワント)

の2種類があります。

単形性心室頻拍

  • QRS波は幅広で、RR間隔は(比較的)整頻拍
  • P波は同定できない
  • 致死性不整脈の1つです。
  • 心停止に至っている場合は蘇生処置を、そうでなくても心停止に至る可能性が高いため緊急対応が必要です

多形性心室頻拍(トルサード・ド・ポワント)

  • QRS波は不規則
  • QRS波の振幅が1拍ごとに変化し、全体的に大きな”捻じれ“を作っている
  • トルサード・ド・ポワントはフランス語で”棘波(棘のようにとがった波(ここではQRS波のこと))の捻れ“を意味します
  • 心室性期外収縮が前のT波の上に重なる(R on T)ことにより出現
  • 下記の心室細動に移行するリスクがある致死性不整脈です

心室細動(VF:ventricular fibrillation)

  • どれがP波なのかQSR波なのか判別できないほど、とにかく不規則な波で入り乱れている

致死性不整脈の1つです。

心臓は震えているだけで有効な拍出ができず、心停止の状態ですので、速やかな蘇生処置を要します

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